SEが起業するメリットとして、自分のアイディアを最大限に生かせることがまず挙げられる。企業で働いているときには、企業方針に合わせてプロジェクトを展開する必要がある。現場で直接開発に携わっているときにはプロジェクトリーダーの指示に従う必要があるため、自由度はさほど高くはない。限られた範囲でしか自分のアイディアを生かすことができないだろう。これはプロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーとなっても同様であり、さらに上司からの意向に従って限られた範囲内で自分のアイディアを活用していくのが原則になる。

しかし、起業すると自分がトップに立つことになるため、自分が思いついたアイディアを基軸として事業を展開していくことができるのだ。あまりアイディア力がない人にとっては負担になるが、多彩なアイディアを生み出せる人にとってはメリットが大きい。そのアイディアに事業性があり、利益をもたらせるビジネスを考えられるのであればさらにメリットは高まるだろう。事業性がないプロジェクトを考えても資金調達から苦労することになりがちであり、事業を始めてもアイディアを形にするだけで赤字になってしまう場合もある。しかし、確実にユーザーから讃えられるような内容の事業を展開できれば、自分のアイディアを実現するだけで懐も潤っていく。まさにやりたいことをやりながら巨富を築き上げることができるのが、起業して働く方法なのである。